heaven (4)

もう何も出ない位に何度も浣腸をさせられた後、タカヒロはその腫れあがった後孔にぞっとする位の太さのディルドを捻りこまれた。
それが終わると両手を後ろ手に拘束され、ペニスをグルグル巻きにきつく縛り上げられ、そして最後にいつものように目隠しをされた。

「よし、準備完了」ミキオはそう言って、タカヒロを床に正座させる。
正座をすると埋め込まれた異物がグイと奥に入り込み、タカヒロは小さく唸った。
「じゃ、俺はこれから客を連れて来る。すぐ戻ってるくるから、動かないで待ってろよ」
そう言い残してミキオは出て行った。パタンと部屋のドアの閉じられる音。沈黙が部屋を支配する。

少しでも身体を動かすと、目一杯に捩じ込まれたディルドが前立腺を刺激する。
きつく巻かれたペニスが膨らむとどうなるかを、嫌というほど身に叩き込まれているタカヒロは、なるべく下半身に気をとられないようにと、別な事を考える努力をする。

弟のバイト先の先輩だということで、家に遊びに来ていたミキオ。初めて見たときからあまり好印象は持てなかった。
それは多分、自分と同じ匂いを感じたからだったのだろうか…
タカヒロはずっと実の弟であるコウヘイに、想いを寄せていた。それは、男同士でしかも兄弟という二重のタブー。
ノンケであるコウヘイには、もちろんそんなことを打ち明ける訳にもいかず、タカヒロはずっとその想いを胸に秘めていた。
ある日、そのコウヘイに彼女ができた。その事実をどう受け入れていいか解らず、動揺するタカヒロにミキオが誘いをかけてきた。
混乱と捨て鉢な気持ちからタカヒロはミキオに抱かれた…それは一夜限りのつもりだった。少なくともタカヒロにとっては。
しかし、ミキオは情事の後のタカヒロの姿を写真に撮り、それをネタにタカヒロを脅した。
コウヘイにだけは知られたくない…その一心でタカヒロはミキオの”奴隷”になった…

学生生活最後の夏休みもずっとミキオの別荘で”奴隷”としての生活を送らされた。
日々行われる激しい調教。今ではミキオの腕すらも呑み込めるほどにタカヒロの後ろは開発されていた。
「明日、俺が連れて来る客の相手をしろ」
そう言ってミキオはタカヒロに言ったのが昨晩の事。
結局それが目的だったのか…拒否する権利もないタカヒロはただ従うしかなかった。


そんな事を思い出していると、外の方から車の止まる音がした。ミキオが客を連れて来たのだろう。
程なく二人分の足音が部屋に近付いてきて、ドアが開けられた。
正座して待つタカヒロの前に二人が立っているのが判る。
目隠しをされているので客がどんな顔をして自分を見ているか判らないが、恥ずかしさと惨めさで頭が自然と下を向く。
「ちゃんと顔あげろよ」すかさずミキオが俯くタカヒロの頭を掴みあげる。客は無言のままだ。

「それじゃ、後はゆっくりとお楽しみを」そう言ってミキオは部屋から出て行ったようだ。
客はあいかわらず何も話さない。黙ってタカヒロの鼻を摘む。
苦しくて思わず開けたタカヒロの口に、客のペニスが押し込まれた。
突然のことに思わず身を引こうとするタカヒロの身体を客は無理矢理押さえ込み、タカヒロの口腔を犯す。
「…んっ…ぐっ…っ…ん…」
髪を掴まれ何度も客のモノを出し入れさせられる。奥まで押し込まれ苦しさでむせそうになるが、客は解放を赦してくれない。
この苦しさから少しでも早く逃れる為には、客をなるべくはやく絶頂に導くしかない…
そう判断したタカヒロは、懸命に客に奉仕し続けた。
「う…ぐ…」
口の中一杯になるほど客のペニスが膨らんで絶頂寸前、いきなりソレはタカヒロの口の中から引き抜かれ、タカヒロの顔にねっとりとした液体が浴びせられた。
客はタカヒロに顔射しても無言のままだった。

顔に客の精液をつけられたまま、タカヒロは立ち上がらされた。ずっと正座させられていたので足が痺れてしまい歩行がおぼつかない。
その上、ずっとディルドを埋め込まれたままだ。一歩動くのも辛い。
それを判ってくれているのか、それとも苦しむタカヒロをじっくり眺めたいのか、客は急かしもせずゆっくりとタカヒロをベッドへと連れて行った。

ベッドではうつ伏せにされ腰を突き出すポーズをとらされる。おそらく客は目の前に突き出されたタカヒロの後孔を見ているのだろう。
暫らくして客はディルドを掴むと、勢い良く出し入れをはじめた。
ミキオの激しい調教によって、後ろで感じる事を覚えこまされたたタカヒロのペニスがみるみる硬くなっていく。と、同時にペニスの戒めがギリリとタカヒロを苛む。
「…ひぃ…やっ、やめ…っあっ…もう…やめ…て…」
苦痛と快感が入り混じる辛さに思わず哀願するタカヒロ。そんなタカヒロに満足したのか、客はディルドを動かすのを止め、一気に抜きにかかる。
「…ぁぁあっ…」
勢いよく引き抜かれる衝撃が更にタカヒロを刺激する。ディルドを抜かれ後ろは楽になったものの、解放されない前は熱い疼きを抱えたままだ。
ベッドにうつ伏せになり、ハァハァと荒い息を吐くタカヒロの身体が反転させられる。何をされるのかと考える間もなくタカヒロの後孔に熱い塊が挿入される。
ディルドで広げられた後孔は難無く客のペニスを飲み込み、グチュグチュと音をたてながら抽送を繰り返される。
「…いゃぁ…っあぁ…うぅ…」
さっきまでのとは比べ物にならない刺激と苦痛が押し寄せる。
「…もぅ、ゆるし…ほどい…て…」
気が狂ったように頭を振り、タカヒロは見えない相手に哀願する。しかし、今度の哀願は聞き入れられず、客はタカヒロの中に快楽を放出した。
客は射精した後もタカヒロの中に入れたまま余韻にひたっているようだった。対してタカヒロは未だ解放されない疼きに気が遠くなりかける…
その時、

「どうです?開発の成果は」
ドアが開き、ミキオの声が聞こえた。その声に答えて客が初めて声を発した。

「うん、最高。よくここまでやってくれたよ。さすがミキオさんだ」

この声…まさか…そんな…
タカヒロの遠くなりかけた意識が一気に呼び戻された。不意に視界が明るくなる。目隠しが外されたのだ。
目の前にいる、自分とまだ繋がったままの男の顔が視界に入る…

「コウヘイ…どうして?」

「顔に俺のザーメンつけて、俺のチ●ポいやらしく銜えて…ホントいい光景だよ、兄貴」
そう言ってコウヘイは、入れっぱなしだった自分のモノをズルリと引き抜く。タカヒロの中からコウヘイの精液がトロリと流れ出てきた。


「つまり俺は最初からアンタの調教目的で近付いたってワケ」ミキオが言う。
「もちろん頼んだのは俺なんだけどね。兄貴、学校卒業したら親父たちのとこ…行くつもりなんだろ?
なんたって俺と違って優秀だもんな。親父たちも期待してるだろうし…
でも、俺は独り取り残される…そんなの嫌だった。俺はずっと兄貴と一緒にいたかったんだ。兄貴を俺のものにしたかったんだ。
だけど兄貴は俺と違って真面目だろ?弟がホモだなんてきっと軽蔑される。だからさ…頼んだんだミキオさんに、兄貴をメチャクチャに犯してって、
そうすれば俺たち同じ穴のムジナになるワケだし」笑いながらコウヘイが言う。
「で、あの女も関係ないから。ミキオさんに頼まれた女。ミキオさんがそうした方が計画がやりやすいっていうから、言われた通りに動いただけ。
安心して、俺は兄貴以外誰も好きになんてならないから」
「おいおい、コウヘイそんな言い方したら俺の立場ないだろうが」コウヘイの言葉をちゃかすようにミキオが言う。
「オレとミキオさんとのセックスはただの契約料だよ。いいじゃないか、俺が欲しかったアニキのバージンだってミキオさんに譲ったんだから文句言うなよ」
「…お、お前たち…」タカヒロはもう何が何だか判らない。
ミキオとコウヘイは最初からグルだった?コウヘイも自分と同じ性癖を持っていた?俺たちはお互い同じ気持ちを持っていた?

コウヘイがハッと気付いたようにタカヒロのペニスを見た。
「あ、ごめん。アニキのソコまだパンパンに張ったままだね。今楽にしてあげるよ」
そうしてコウヘイは丁寧にタカヒロのペニスの拘束を解く。ドクンと血が通い出したソコが再び疼く。
コウヘイの指がクチュと、タカヒロの後孔に滑り込む。
「やっ、やめろっ…コウヘイ…っ」タカヒロは必死に身体を捩って抵抗するが、焦らされ続けたソコはすぐに絶頂を迎え白濁の液が勢いよく飛び出した。

ぐったりとしたタカヒロはコウヘイによってバスルームに連れて行かれた。コウヘイは機嫌よく鼻歌交じりでタカヒロの身体を洗った。

身体を洗い終わってようやくタカヒロは腕の拘束を解かれ、服を着ることを赦された。
「このまま家に戻るんだよ兄貴。夏休みの間中はずっと二人でいような。その間に兄貴を俺無しでは生きられない身体にしてあげるよ。
そうして兄貴はずっと俺と一緒にいるんだ」
タカヒロの荷物をまとめながらコウヘイが嬉しそうに言う。
「よかったなコウヘイ。じゃこれは俺からのプレゼントだ」
黙って見ていたミキオが、コウヘイに何かを渡す。
「コレを大好きな兄貴に着けておけよ。そうすれば、兄貴はお前だけのモノだ。誰も手出しできないぜ」
それは鍵付きの貞操帯だった。受け取ったコウヘイはミキオに礼を述べ、早速タカヒロに装着しようとする。
「嫌だ!やめろっ…そんなもの…っ…」
抵抗するもミキオに身体をガッシリと掴まれ動くことができず、結局はそのおぞましいものを装着させられてしまった。
タカヒロの耳にカチャリと鍵の掛けられる音が小さく響いた。

別荘を出るタカヒロの耳にミキオがそっと囁いた。
「良かったな、アンタら相思相愛で」
その耳打ちに反応する気力もないままタカヒロはノロノロとコウヘイの車に乗り込んだ。

これからの生活は自分にとって地獄なのかそれとも天国なのか…
ぼんやりとそんな事を考えながらタカヒロは黙って目を閉じた。


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