副会長の受難の日 5

-----処女をいただく------

由良の言葉を俺は頭の中で反芻した。
それはつまり…今さっき俺が由良にした(というかさせてもらった)行為を
そっくりそのまま逆の立場でやるということ…だよな…?

つまり…由良のチ○ポが俺の尻の穴にってことで…
「…マ、マジかよ…」
童貞喪失(しかもかなり情けない形での)で動転した俺の頭の中は益々混乱する。

「ああ、もちろん大マジメだ」
俺の呟きを聞き由良が力強く頷く。
「俺は武田の前も後ろも両方のお初をいただきたい。それが俺の入学当初からの夢だったんだ」

由良っ…!
お前も俺のことをずっと思っていてくれたというのかっ!
あまりのことに俺は感動に打ち震えた。

「武田、そんなに怯えて震えないでも大丈夫だ。俺は無理強いはしない。お前を大切に扱うから安心しろ」
…いや、別に怯えて震えているわけじゃないのだが…と言おうとしたのだが
由良はさっさとさっきのビンを手にとり、今度は俺に使う準備を始める。
「ひっ…」
由良の指が、その液体をたっぷりとつけた指が、ついに俺の尻の穴に入る。
ひんやりした感覚と、由良の指の動きでなんともいえないくすぐったさを感じる。
「意外とほぐれやすいな、お前のここは」
由良が小さく微笑む。
…一体それは誉められているのか、けなされているのか、何だかよく判らないが
満足げな由良の様子を見る限りどうやら誉め言葉のようだ。

「も、もういいぞっ!いつでも来い」
いつまでも尻の穴を弄られる気恥ずかしさに俺はもう覚悟を決め、由良を受け入れる心の準備を整えようとした…が…
「そう慌てるな、武田。俺も方ももうちょっと準備が必要だ」
余裕の表情で由良が自分のチ○ポを手に取った。それは確かに硬くはなっているが、さっきの俺のビンビンの状態に比べればまだ勢いが足りないように見える。
そうか、中に入れるにはもう少し勃たせてやらなければ。
「わかった、由良、俺も協力するぞ」
さっきから俺はマグロのようにただ寝そべっていただけで、散々由良の世話になりっぱなしだ。
無我夢中で俺は由良のチ○ポを口に咥えていた。
さっき、保健室で松居と棗にやられた事を思い出しながら、俺は見よう見まねで由良のを舐める。
まさかあんなことがこんな場面で役に立つとは…仕方ないからアイツらに少し感謝することにしよう。
「た、武田っ、」
俺の行為に流石の由良もびっくりしたようで、言葉を詰まらすが、奴のチ○ポはみるみる大きく硬くなっていく。
「武田、お前にこんなことをしてもらえるなんて、俺は感激だっ!お前に咥えてもらってるというだけで興奮するぞっ!」
…それはつまり俺のテクニック云々ではない訳か…そりゃそうだ、こんなことするのは生まれて初めてだ。
でも、まぁいい、由良が満足してくれれば。
ふと、口の中の質感が消えた。由良が自分で俺の口からチ○ポを引き出したのだ。
「もう、充分だ、武田。では準備はいいな」
由良が俺の目を見つめて確認する。もちろん俺は力強く頷く。
…というものの、これから俺の身に起こる出来事に不安が全く無いわけではない。
だが、さっきは由良も俺を受け入れてくれた。きっと奴も同じように不安だったに違いない。
そんな由良の気持ちに俺も同じように答えてやらなければ。
俺達はそうして同じ思いを共有するんだ!

「大丈夫だ。ゆっくりと入れるからな。力を抜いてリラックスしろ」
男らしくリードする由良。あぁ俺もさっきはこうすべきだったんだな…今更ながら反省。
とか、思っている間に硬いモノが俺の尻に当たる。つ、ついにこの時がきたのだっ!
力を抜けと言われたがそう簡単には出来るものではない…というのを今身をもって知った。
俺の尻を捩じ込むように入って来る由良のモノの衝撃は想像以上だ。
「いっ…」
ギュッと目を瞑った俺に由良が心配そうに聞く。
「…武田…無理なら”今は”やめるぞ?」
「いや構わない。そのまま一気にいってくれ!」
由良が俺にしてくれた事を俺が出来ないままなんて情けないし
そして何より由良に対して失礼だ。
俺の決死の覚悟を聞き届けてくれた由良はそれでも、一気にではなく、ゆっくりゆっくりと自分のモノを俺の中に入れてくる。
どのくらいの時間がたったか判らないが、なんとかソレは俺の中に全部収まったようだ。
腹がつかえたような変な感覚だが、俺はついに由良の愛を受け入れることができたのだ!

「由良…」
「武田…やっとお前と一つになれた」
嬉しそうに微笑み由良は俺の唇に自分の唇を重ねる。
そう、やっと由良と俺は一つになった…ってさっきの行為はどうなんだ!?
あぁそうか、余りにも俺が早くにイってしまったから由良も実感がなかったんだな。
まったく何から何まで不甲斐ないな俺は。
だが、今度こそは由良を満足させるぞ。
「動かしてもいいか?」
由良の問いかけに俺は決意を込めて頷いた。

「…っん…あがっ…!?」
中で動くその衝撃に俺の決意はグラグラと揺るぎそうになる。
気を遣ってくれてるのか由良の動きはゆっくりだが、それでもこんな衝撃は想像以上だ。
「ひっ…あっ…ん…」
自分でも信じられない声が出てしまい思わず口に手を当てる。
由良の顔もマトモに見てられなくなって俺は目を閉じる。
そうしているうちに、不意に腹の中の質感が軽くなった。
尻がすっきりして、同時に俺の腹の上に生温かいものがかかったのが判る。
由良は俺に満足してくれたのだな…
そう思うと涙が滲んできた…痛いとか苦しいとかそういうのではなく、そう、嬉し涙だ。

「やはり辛かったのか?武田…」
心配そうに由良が俺の目尻にそっと触れる。
「無理強いをしすぎたか…すまなかったな」
俺の目尻の涙を拭いながら由良は優しく俺の髪を撫でる。
その優しい仕種に俺はますますジーンとしてしまい気がつくと滲んだだけの涙が頬を流れ落ちていた。
「ち、違うっ!これはその、辛いとかじゃない!う、嬉しいからだっ!」
柄にも無く泣いてしまった恥ずかしさを俺は必死に取り繕う。
そんな俺の肩をそっと抱き寄せる由良。
「お前のお初。しかと貰ったぞ。そしてこれからずっと誰にも渡さない。触れさせない。俺がお前を守るからな」
俺はそこまで弱くはないぞ…と反論しかけたが、せっかくのいい雰囲気を壊すのも不粋だ。俺は黙って由良の言葉に頷いた。

思えば散々な一日だった、行く先々で災難に巻き込まれ踏んだり蹴ったりだった。
だがそれを全て帳消しにするかのように最後に俺は由良と思いを遂げることが出来た。
最悪の日は一転して最高に日になったのだ。


翌日。
身体の負担は予想以上で、俺は初めて寝坊をしてしまった。
急いで走るも腰が痛くて思うように走れない。
いかん!このままでは遅刻してしまう!

やっとの思いで校門に駆け込んだが時計を見ると30秒の遅刻だ。
3年間の無遅刻記録がついに途絶えてしまった。
いや、それ以上に生徒会副会長が遅刻をするなんて…
己の不甲斐なさに俺はガックリと膝をつきその場に項垂れた。

「おい、武田そんな四つん這いのポーズで俺を誘っているのか?」
冗談めかした由良の声が頭上から聞こえる。そうか今日の風紀当番は由良だったか…
「由良…すまない…俺は遅刻をしてしまった。こんなことでは他の生徒に示しがつかない」
ほとんど土下座のようなポーズのまま俺は由良に謝った。
「気にするな、見逃してやるから立て」
「な、何を言っている。たとえ生徒会役員でも遅刻は遅刻だ。内輪同士でもみ消していたらそれこそ他の生徒に示しが…」
「いいから黙ってろ」
由良が俺の言葉をピシャリと遮る。
「お前の遅刻の原因は半分以上は俺に責任があるからな。身体辛かったんだろう?」
俺を立ち上がらせながら由良は俺の腰のあたりをそっとさすってくれた。
「…うっ…そ、それは…」
図星をつかれて俺は何も言えない。
「だから今回は見逃してやるから」
「だが、しかし…」
それでも罪悪感に苛まれる俺に、由良は苦笑いしながら言った。
「わかった、そこまで言うなら土曜日学校に来い。」
「はぁ?」
「学校は休みだが生徒会の仕事をする。お前はそれを手伝え。それがペナルティだ」
「わ、判った…」
納得がいったわけではないが、これ以上逆らうと由良が本気で怒り出しそうな気がして俺は折れた。
「よし、それじゃ土曜日は頼むぞ。そしてそれまでに腰を直しておけ」
大声で言うものだから回りの生徒が俺達を見ているではないか。
しかもいつもは遅刻常習者の樹原までがこっちをみてニヤニヤしている。
「なっ、何てことを大声でっ!」
「荷物の移動があるからという意味だぞ、お前は何を考えているんだ?」
「……」
からかうように笑う由良に俺はもう何も言い返せない。
だが俺だってバカではない。土曜日に最終的に何をするかくらいは安易に想像がつく。
週末の「受難」…いや、「難」はいらないか…それを思い俺は照れ隠しに頭を掻いた。


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