「8度5分か…」
体温計を見ながら祥一郎が溜息をついた。
「ここのところ少し無理な事をしすぎたかな…すまないねユキ」
そっと額を撫でられた唯貴はそれでも大丈夫だと首を振る。
高熱が出ているのは苦しいけれど、
自分には少し大き目の祥一郎のパジャマを着せてもらえて、
食事も祥一郎の手で口に運んでもらえて、
それはそれで嬉しいと唯貴は言葉にはしなかったがそう思っていた。

「とにかく熱を早く下げないとね」
そういって祥一郎は座薬を取り出した。
「ユキ、薬を入れるからおしりをこっちに向けて」
祥一郎の言葉に唯貴はモジモジとしながらパジャマのズボンを下げる。
いつもしている行為のはずなのに服を着ていると何故か気恥ずかしさがいつも以上に増してくる。

ツプ…と入ってきたのは座薬ではなく祥一郎の指。
「し、祥一郎…さ…」
こんな状況で何を…と言いたかったが、祥一郎の指の動きに唯貴は上手く言葉を発することも出来ない。
「…や…ぁ…」
ただでさえ火照った身体が益々熱くなる…意識が朦朧としてくる。
「…熱で潤んだ瞳も可愛いよ…ユキ…」
祥一郎の言葉も遠い処から響いてくるような気がする。
「…あ…ぁ…っ……」
昇りきった体温と意識の中、唯貴は自分の分身から絶頂の証を放出させた。

ようやく座薬も入れてもらい、再びベッドに横になった唯貴の額を祥一郎が再び撫でる。
「早く元気になるんだよユキ…そうしたらまたたっぷり遊んであげるからね」
「…はい…」
恥ずかしそうに唯貴は頷き、額に当てられた祥一郎の手の温もりを感じながら静かに眠りについた。


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